二人で見た思い出の花火。夏になると今でもワクワクします。私の住む大分県の津久見市という街で毎年夏7月に行われる「つくみ港まつり 納涼花火大会」。この花火大会は津久見港の防波堤で行われ、港を使った水中花火、台船を使った色とりどりの花火や、津久見の夜空一面を埋め尽くす程の大きな尺玉が100発も打ち上げられる等、大分県の夏のイベントと言えば、とも言える程の一大イベントとなっています。大分県在住の今は31歳社会人です。
夏になると今でもワクワクします
初めてこの納涼花火大会に参加したのは高校生の時の事でした。私はそれまで大分市内で行われる花火大会にしか行ったことがなくて、花火と言えば友達とその花火を見に行くのが毎年の恒例の行事になっていました。高校生三年生の時の事でした。友達の紹介で2つ年下のスラリとしたロングヘアーの女の子との交際をスタートしました。私はそれまで女性とのお付き合いをしたことがなく、初めての経験でした。勿論恋愛初心者なのでどんな遊び方をしたら良いのか、どんな話をしたら良いのかもわからず、それでもわからないなりに自転車の後ろに乗っけていろんな場所へ遊びに連れていっていました。その年の夏の事です。その彼女が、その津久見市で行われる花火を見に行こうという提案をしてきました。
私はそれまで毎年、友達と花火を見に行っていたのですが、いつか彼女を連れて花火に行きたいという夢がありました。二つ返事でオッケーを出し、高校最後の花火は二人で見に行くことになりました。津久見市は私の住む街から遠く、電車で一時間の街です。待ち合わせの約束をし、駅で待っていると現れたのは普段見ない浴衣姿の彼女。ロングヘアーを上手に結って、綺麗な紫陽花の描かれた浴衣姿の彼女。さぁ行こう!と楽しそうに駅内へ走っていく彼女の後ろ姿を今でも忘れません。津久見市へ向かう電車は各駅で、花火大会へ向かう同世代のカップルが徐々に乗り込んできます。席は埋め尽くされ、二人は手を繋ぎびったしくっついたまま電車に揺られ、電車は津久見市へと走りました。港へ到着すると、沢山の出店がでていました。私はイカ焼きがとても好きなので、一番最初にイカ焼きを買い頬張りました。タレまみれになる手を彼女がウエットティッシュで拭ってくれ、手を繋いで沢山の出店を回りました。
思い出の夜の花火
夜になり、花火がスタートしました。こんな日が自分にも来るとは、と彼女と二人うっとりと鮮やかな花火の舞い散る空を眺めていました。ムードのある曲と共に沢山の色の花火が放たれては散り、放たれては散る。こんな時間がいつまでも続けばいいのにと本当に思えました。ラストの花火が打ち上げられ、『キャハー!でっかーい!』と楽しそうに笑う彼女を照らした尺玉。彼女の横顔に夢中で最後の尺玉を見ることはなく、その日の花火は終わりました。楽しかったねとすし詰めの電車で二人で話ながら帰りました。その年以来、三年生程花火へ一緒に行きましたが、残念な事に浴衣姿を見れたのはその三年だけで、お別れをしてしまうのことになりました。以来、私はその津久見の花火大会へは行ったことがありません。
私は現在31歳、最近結婚をし、子どもを授かりました。あの時の彼女は現在29歳。恐らく結婚して子どももいることでしょう。お互いに別の道へ進む事になりました。もうあの頃の横顔の記憶は年月と共に私の中からは花火の様に散って消えてしまいましたが、あの日二人で見た花火を私は一生忘れません。
つくみ港まつり 納涼花火大会
電話番号:津久見商工会議所0972-82-5111
時間・打上時刻:20:00~21:00
住所:大分県津久見市中央町 つくみん公園周辺
大分ではとても有名な花火大会なのですね。素敵なお話、ありがとうございます。私は、人のハッピー大好きなのでこういうお話いただけるたけで、幸せになっちゃいます。