さて、我ら夫婦は其の年（平成２８年１１月下旬）の秋の時期に、早速、京都の紅葉スポット巡りを２泊３日の期間で旅を決行したのです。１１月も下旬に近くで首都圏の神奈川県から夜中に出発し、途中、SAで仮眠をして、イの一番に訪れたのが紹介された此方の東福寺でした。京都の巨大寺院である東福寺の名物紅葉を堪能しました。
紅葉時期の見どころは？
近くの駐車場に車をおいて歩きだすと暫くは白塗りの壁のお寺の塀が続いていて、先ず、日下門に到着しましたが、とても風情のあるたたずまいです。その範囲の広大限りなり、あたかも中世の中に入っていったような気がする素晴らしい紅葉の木々の風景が、とてつもなく広大に続いています。元より、風情のある禅寺というのは、日本には確かにあちこちありますが、これほど広大なところは他にないのではなかろうかと思われるほどです。
先ず、チョット余計な事になりますが滋賀県の琵琶湖の近くに身内の親戚が有って、我ら夫婦は時折、関西旅行をするときなどは立寄って旅行の話や四方山話などを楽しんでいます。そんな折に其の次の日は琵琶湖の東側の湖東三山（西明寺、金剛輪寺、百済寺の三つの天台宗の寺院の総称）の素晴らしい紅葉を楽しんだのでした。そして、身内が言うには直ぐ近くの京都の「東福寺」は最高に紅葉のいいところだよ、という事を教えられたのです。
其の京都・「東福寺」といえば錦秋の時期になると、マスコミやテレビでも頻繁に紹介される有名寺院です。 京都市内の数ある紅葉の名所の中でも東福寺はベスト１０、ベスト５、はたまた或るマスコミの人気投票では、ベスト3に入るほどのスポットなのです。実際に筆者が訪れた時の東福寺の印象も、紅葉が真っ赤に染まり御堂がその中に埋まっているような印象で、その景観は夢の中に居るような錯覚を覚えたものです。
拝観料は通天橋のある開山堂は大人４００円。子供は３００円で参拝することができます。東福寺本坊庭園も同様の金額です。ただ、11月中旬から月末までは通天橋、臥雲橋の上で撮影はできないと考えたほうがいいです。そのくらいの人気ぶりですし、美しいのです。
京風ランチはシンプルで美味しい。
その東福寺の概況をお話しすると、位置的には京都駅からも近く、有名な三十三間堂から東海道線を挟んだ対極的な位置にあって、勿論、京都駅から1駅目のJRの奈良線、それに京阪線には東福寺駅というのがあり、ここより３、４００ｍほどの所にあります。所在地域は伏見に近いですが、れっきとして東山区にあります。東福寺の境内は、京都東山の一角から流れ出る三ノ橋川の優雅に流れ、そこに臥雲橋が煌びやかに掛かっています。
こちらも紅葉との対比が何とも絵になるような華やかさです。そして、更に本堂へ通じる通天橋へ、ここから眺める通天橋付近の庭が雑誌にでも取り上げられている名所なのです。兎に角、素晴らしいの一語です。特に通天橋から臥雲橋のショットは、絵にも描けないような華麗なる風光、景観です。たかが自然の樹木を観ているだけなのですが、それでも人間の、日本人の魂が造り上げた自然の造作物なのです。 日本人の心の美を観るような一景でもありました。
この後、通天橋より方丈、庫里、本堂と順に観て回ります。 石庭、碁盤目の庭園、それに回遊式の庭園など、紅葉美の囲まれた庭園群も見事と言うほかはありません。ほぼ一周して、巨大な山門から帰路に着きました。途中、「匠」という和風レストランで食事を摂りました。京都風のシンプル料理という感じで、日替わりセット700円を注文しました。
だしまき卵に紅生姜、ひじき、みそ汁、漬物のシンプルなセットでした。味付けは薄くてやさしいながらも、しっかりとした出汁の味わいがあり深いです。 京都料理って案外薄味のこのような味付けなのでしょうね。ほかにも、東福寺塔頭の栗棘庵というところも期間限定でランチをやっていました。たしか、紅葉弁当３５００円と非公開の栗棘庵で食べるランチは格別でしょう。
東福寺はライトアップがないので、この後、私たちは伏見のお稲荷さんへ参りました。東福寺塔頭の天得院、勝林寺では行われるようです。この近辺だけで紅葉満喫することも十分可能ですね。
アクセスは？駐車場は？
東福寺のアクセスとしては、我らは寺院近くの有料駐車場に止めましたが、正直、シーズン中でもありましたので平日でも大変混雑しておりました。 やはり交通手段としては特にこの時期は電車がお勧めですね。通常時なら、境内の東福寺専用駐車場や北駐車場が京都では珍しく無料で停めることができるのですが、秋の特別拝観期間中は閉鎖されているのです。
近隣の駐車場はたいてい１時間６００円程度だった覚えがあります。やはり、無理せず公共機関がいいですね。電車利用ではＪＲ奈良線、又は京阪本線の東福寺駅で下車。およそ、徒歩10分程度になります。又、京都駅からは公共のバスも出ていますので便利ですね。因みに、東福寺の周辺には泉涌寺や伏見稲荷大社もあります。
まとめ
筆者宅の実家の田舎の仏院は臨済宗で大本山が京都の妙心寺に属していますが、こちらの東福寺は同じい臨済宗でも東福寺派と言いましてその大本山の寺院でもあります。つまり禅寺に当たります。鎌倉時代に創建され京都禅寺五山の第四位にあたり、本尊は釈迦如来で、創立者は九条家、開山住職は中国で修業を積んだ聖一国師・円爾（しょういちこく・しえんに）といわれます。因みに、東福寺の建設工事は３０年以上に亘って続いたとされ、その後は九条家、鎌倉幕府、足利家、徳川家などの援助で再建されてきたとされます。
