お彼岸の由来は、サンスクリット語の「波羅密多」から来たものといわれ、煩悩と迷いの世界である此岸(しがん)にある者が、「六波羅蜜」(ろくはらみつ)の修行をする事で「悟りの世界」すなわち「彼岸」(ひがん)の境地へ到達することが出来るというものです。
お彼岸の縁起は?おうどんを食べる?何を備える?
春分の日は、太陽が真東から上がり、真西に沈みます。そのおかげで昼と夜の長さが同じになります。その春分の日と秋分の日の前三日から秋分の日後三日の合計7日間、約一週間が「お彼岸」と呼ばれています。この7日間の間に仏様の供養をすることで極楽浄土へ行くことが出来る、と考えられていたのです。
また、暑さ、寒さが移り変わる季節の変わり目にあたる彼岸の時期は、体調を崩しやすいことから、消化のいいそばやうどんで胃腸を整えるという習慣があり、その時期に食べるそばを「彼岸そば」と呼んでいる地域があります。
お彼岸のお墓参りはいつ頃?何時から?何を備える?
2017年の秋の場合、彼岸入りは9月20日(水)、中日は9月23日(土)<秋分の日>、彼岸明けは9月26日(火)の7日間になります。お彼岸のお供え物は「おはぎ」です。「おはぎ」は、春には「ぼたもち」と呼ばれます。
一般的に「ぼたもち」と「おはぎ」は「つぶあん」「こしあん」の差でほぼ同じものですが、季節によって呼び名が変わります。「ぼたもち」は、春に咲く牡丹の花にちなんで「ぼたもち」と呼ばれ、「おはぎ」は秋に咲く萩の花にちなんで「おはぎ」と名付けられました。
日本では、古来、小豆色は「めでたい色」とされており、その上、秋、収穫できる小豆は、小豆の皮も柔らかいので粒あんでおはぎを作ります。春は小豆の収穫時期ではないため、春まで保存していたので皮が固く、こしあんにして「ぼたもち」を作るのです。
お彼岸のお布施はどのくらい?お持ちするもの?
だいたいの相場ですけれども、お彼岸法要に出席される場合は、合同法要ですから、葬儀や回忌法要などの個別法要とは違って、だいたい三千円から一万円程度というのが一般的なようです。また、お布施ではなく、お供え物をお持ちする方もいらっしゃいますので、お心次第なのです。
お布施をされる時の表書きは、「お布施」と書きます。別途、卒塔婆をお願いする場合は、卒塔婆料として三千円から五千円を別途お包みしましょう。そして、合同法要ではなくて、個別でお彼岸法要を営まれたいとご希望される方も中にはいるようです。
そういった方の場合は、菩提樹と事前に日程や時間などを相談されて法要を営むのですが、その際のお布施はだいたい三万円から五万円程度ではないかなと思います。
お彼岸にしてはいけないことは?しなくてはいけないことは?
地域や年代によっては、病院のお見舞い、引っ越し、祝い事がタブーとされていることもあるようです。お彼岸は亡くなられたご先祖様を供養する日、つまり墓参りの日です。
入院されている方はまだ存命の方なのに、お見舞いをすると亡くなられた方と同じ扱いをする、あるいは、まもなくなくなるだろうというように受け取られかねないからのようです。あの世とこの世が一番通じ合う日とされているので注意しましょう。
お彼岸は、先祖を供養する日、お墓参りの日というのが根付いています。『仏教的な禁忌事項』という訳ではないのですが、結婚式や祝い事のゲストの中には、上司や年配者が必ずいます。
そういった方々は、礼儀や常識を敬う方が多いので心配り、もし、日程が当たる場合は、ちゃんとお伝えしましょう。引っ越しなども、宗教上、先祖を第一に考えお墓参りをして、大変なことは、その後にしなさい。という戒め、と考える方もいらっしゃるので。
まとめ
お彼岸は日本特有の仏教行事の1つ。日本では仏教が広まる以前から、祖先や自然に感謝する習慣がお彼岸の時期にあったのです。お彼岸には、仏壇や墓石を掃除し、お墓参りされる方、お寺さんとの付き合いがある方は法要「彼岸会(ひがんえ)」参加します。お彼岸は、日本古来の習慣と仏教の教えが結びついて、大切な行事となったのですね。