毎年7月末に大阪市の住吉大社で行われる住吉祭は、毎年多くの人でにぎわう大阪を代表する夏祭りです。その規模はまさに、大阪の夏を彩るといってもいいすぎではありません。
大阪「住吉祭」は神輿渡御
楽しみにしているのが、神輿渡御です。7月の大阪は、さすがに暑いため、毎年、汗びっしょりになりながら見物しています。まず7月30日には宵宮祭。そして、7月31日には無形文化財で熊野舞や住吉踊りが奉納される夏越祓神事と例大祭があります。
また、8月1日にはクライマックスとも呼べる神輿渡御祭が行われます。舞台となる住吉大社は地元の人たちから「すみよっさん」と呼ばれて親しまれてきました。
住吉大社はもともと、航海の神様をまつる神社として栄えてきました。商業の中心地として長い暦を誇る大阪には、全国各地からさまざまな船が集まり、出港していきました。その安全を祈り、守ってきたのがこの住吉大社なのです。
住吉祭は住吉の歴史
かつて大阪湾は現在よりも大阪の内陸部に広がっていたといわれ、住吉神社のある地域は「住吉津」という港だったそうです。住吉大社が航海の守り神とされたのは、そうした地理的条件があったからなのでしょう。
歴史を振り返ってみても、遣隋使や遣唐使の守り神であったとも言われています。この住吉津から遣唐使も出港したそうです。住吉大社の本殿は住吉造とよばれ、国宝にも指定されています。石舞台は重要文化財となっています。境内を飾る朱色の太鼓橋は、シンボル的存在です。このように建築をとってみても、一見の価値があるといえるでしょう。
住吉祭の見どころは?
住吉祭には茅の輪くぐりの輪もお目見えします。7月30日の宵宮では夕方に2000の献灯がいっせいにともります。つづく31日の夏越祓神事では神官を先頭に夏越女、稚児の一行が巨大な茅の輪をおごそかにくぐっていきます。
華麗に着飾った夏越女や稚児らが後に続きます。五月殿 (さつきでん) で大祓式が行なわれたのち、一般市民も行列に参加。茅 (ちがや) を1本取り、祓いながら3度の茅の輪をくぐります。
そして、住吉踊りの奉納となります。この住吉踊りは古い伝統のある神事で、歴史的には神功皇后の神話に由来するともいわれています。中世には農民たちが五穀豊穣を願って虫払いや厄払いのために踊った農民舞踊ともなり、現代まで受け継がれています。
住吉祭りをしめくくるのはなんといっても神輿渡御祭です。この神輿洗神事は、神輿を祓い清めることを目的としています。住吉大社から堺市宿院頓宮にむけて7キロメートルの道のりを祭礼の行列が巡行するのです。その華やかさは、見る人の心を打ちます。
住吉祭
会場:大阪市住吉区住吉2丁目9ー89
電話:06-6672-0753