毎年5月2週目の土曜・日曜に行われる、大垣の祭りの中でもいちばん大きな祭りで、360年余の伝統を誇る祭りです。大垣まつりには、13両の「やま(車偏に山)」が出ます。
大垣まつりは伝統
このやまの起源は、慶安元年(1648年)に大垣城下町の総氏神であった八幡神社が、大垣藩主戸田氏鉄公により再建整備されたおりに、城下18郷が喜びを御輿3社の寄付で表し、大垣10か町が10両のやま(出しもの)を造って曳回したのがはじまりといわれています。
延宝7年(1679年)、藩主戸田氏西(うじあき)公から、「神楽やま」「大黒やま」「恵比須やま」を賜り、それを機に10か町は、やまの飾りつけに趣向を凝らしていきました。濃尾震災や先の大戦によって多くのやまを失いますが、その後、修復や復元、購入などにより再建が進められ、平成24年に2両のやまが復元され、70年ぶりに全13両のやまが勢揃いしました。
「大垣祭のやま行事」が、平成27年には、国重要無形民俗文化財に指定、平成28年には、ユネスコ無形文化遺産に登録されました。「大垣祭のやま行事」は大垣の城下町の祭礼として伝承されてきた、美濃地方を代表する祭礼行事であり、大垣藩主下賜(かし)のやまと、町衆のやまが共存する形態は全国的にも希少です。
また、からくり人形には中京圏の山車(だし)行事、やま上の芸能には近畿圏の山車行事の影響が色濃く、東西の祭礼文化の交渉がうかがわれるなど、国内の山(やま)、鉾(ほこ)、屋台(やたい)行事の伝播を理解する上で重要とされています。
この地方最大の祭りなだけに、大勢の人が沿道を埋めつくし、やまの美と沿道の熱気が城下町をつつみます。会場には約500店もの屋台が立ち並び、大変賑やかな祭りです。
大垣まつりの見どころは?
中学生の頃は、お祭りに行って楽しむ他に、ゴミバスターズとしてゴミ拾いをしながら会場内を回っていた思い出もあります。また、とにかく屋台の数も多いので、屋台巡りも楽しみのひとつです。その年の流行りの商品を販売している屋台もあれば、毎年同じ場所で同じ商品を販売している屋台も数多くあります。
例えば、駅付近にいつもある綿菓子やさんとベビーカステラのお店は、帰り道に買って帰る定番になっています。また、八幡神社付近の道路沿いには見ているのも楽しい飴細工のお店やトルコアイスのお店、そして八幡神社の中にはスマートボールや輪投げなどのゲームの屋台や、お化け屋敷。このお化け屋敷は、私(30代)の母の若い頃にもあったというほど昔からあり、以前から変わらない呼び込みの声も特徴があり、地元で知っている人は多いと思います。
見どころといえば、何と言っても「やま」の巡行でしょう。会場内を巡行したり、夜にはやまの提灯が点灯され、とても美しい姿を見せてくれます。13両のやまは、八幡神社前や大垣市役所前にて奉芸や掛芸を披露します。各やまそれぞれに特色があり、やま上で子供達が日本舞踊を披露したり、様々なからくり人形が物語を演じたり書を披露したり…(最後に観衆に投げられるその書を拾うと字が上手くなる、とも聞いたことがあります)。若い頃は正直なところあまり興味がありませんでしたが、じっくり見るとなかなか面白いです。
大垣まつりへの交通手段は?
八幡神社までJR大垣駅南口から徒歩約10分。臨時駐車場(大垣市公設地方卸売市場/大垣市古宮町161)から会場までのシャトルバス運行あります。会場周辺にも、市営有料立体駐車場、コインパーキング等あります。
大垣まつり
会場:大垣八幡神社、東外側通り、大垣駅通りほか
電話:大垣市経済部商工観光課(弘光舎ビル7階) 0584-47-8597