明治の森箕面公園にある箕面の滝、11月末ごろの日曜日の午前中がよいのです。私は、年に一度紅葉のシーズンになると、家族と一緒に大阪府の北部、箕面市にある箕面の滝へ紅葉を観に出かけます。
箕面の滝の紅葉の紅葉は
小学校の頃から出かけていて、もう20年くらい、家族の恒例行事となっています。箕面の滝というのは、明治の森箕面国定公園というという場所にある滝のことで、それほどすごく迫力のある巨大な滝というわけではないのですが、落33メートルだそうで、この箕面の滝と紅葉のコントラストが毎年毎年、何度見ても飽きずに通いつめてしまうのです。
でも、ここの楽しみはこの箕面の滝だけではありません。滝に向かうまでに、ちょっとした上り坂(山道)を登っていくのですが、その途中にちょくちょく出くわすのが、箕面公園のもうひとつの名物、猿。
毎年、猿の赤いお尻と、紅葉の赤い色のツーショットを撮影するのが密かな楽しみで、動物の絡むことなのでなかなか粘っても撮れない年もあるのですが、だからこそ余計に毎年狙いたくなってしまうのです。
うまいこと撮れた年は、なぜだか良い1年になりそうな気がするくらいです。一度、幼い妹が猿にエサをあげるつもりだったのか、猿にかなり近づいてしまい、危うく襲われそうになりました。
あと1歩遅ければ、顔にけがをしていたかもしれません。箕面の猿は凶暴で有名なので、興味本位で近づくとけがをしてしまうことがあります。実際、箕面の猿に人が襲われたというニュースがたまにテレビやラジオなどで流れることもあるくらいです。
箕面の滝の紅葉は天ぷらになる
そんな箕面公園の紅葉ですが、古くは修験道の道場だったのです。滝のある明治の森国定公園は1967年に国定公園に認定されました。
実はもうひとつ、名物があります。それが、箕面名物「もみじのてんぷら」です。広島のもみじまんじゅうのように、もみじの形をした何かの天ぷらだと勘違いされることも多いのですが、正真正銘、もみじそのものを揚げた天ぷらです。
ちなみにこの天ぷらを販売している会社のホームページを見ると、「伝統銘菓」として紹介されていました。このことを家族の誰に話しても、まさかあれがお菓子に分類されるものだとは思わなかった・・・と話していました。
また、このもみじの天ぷらは、この会社が独自に所有している土地で育てているもみじを使っているそうなのですが、子供の頃、箕面公園で売っているもみじの天ぷらは、その辺に落ちているもみじを油で揚げて作っているのだ、という噂が流れました。
もしかすると、本当にそのようにしている業者もあったのかもしれません。あるいは個人で売っている感じのおばあさんもいたので、真偽はよくわからないのですが。その噂を聞いた年に、家族で紅葉を観に箕面公園に行きました。そこで、もみじの天ぷらを売っている出店がありました。
当時中学生になっていた私は、心の中で「このもみじの天ぷらも、もしかしてその辺に落ちている湿ったもみじを拾ってその場で揚げているのかなあ・・・」と思っていました。
当時、年が離れていて、まだ5歳だった妹もこの噂をなぜか知っていたらしく、そのもみじの天ぷらの出店を見たとたん、天ぷらを指差して「これ!これしってる!道に落ちてるやつ拾って作ってるやつでしょ!ねえ、ママ!これ道に落ちてるやつでしょ!」と大声で言いだすのです。
母親は真っ赤な顔をして、「そんなことないの!ちゃんと作ってるの!」という、突然のことに混乱しているからなのか、よくわからない答えを返しながら急いで出店から離れるように駆けていきました。
私と父親は、その2人の背中をみながら、「他人のフリをしておこう」と言いました。大人になってから、その時のことを聞いて見ると、妹は全く覚えておらず、母親は顔から火が出るかと思うほど恥ずかしくて、昨日のことのように思い出すと話していました。あの時は大変でしたが、今となっては良い思い出です。
アクセス
阪急箕面駅から箕面公園の入り口までは徒歩400メートルほど。公園の入り口から滝までは徒歩40分ほど。お車の方は、大日駐車場がわかりやすいので、電話番号をお伝えしておきます。072-722-2885