大蛇山祭りは、大蛇山という名前の通りに大蛇の形をした山車が火や煙を噴きながら通りを練り歩くお祭りです。山車の中では太鼓や笛や鐘の音が「よいさー!よいやさー!」という掛け声に合わせて賑やかに鳴り響きます。
大蛇山祭りは幸福が訪れる
毎年、7月最終の土曜、日曜日、大蛇は市内にある六ケ所の神社のグループ(六山と呼ばれます)ごとにパフォーマンスを対決します。このグループごとに、リズムや大蛇の動きに違いがあります。グループによっては物凄く派手に動くところもあったり、あえて静かに優雅に動くところもあります。
この祭りはもともと、大牟田の中でも三池の方で水神信仰のもとで行われた小さな祭りでした。三池の山には大蛇がおり、ある時生贄となった女の子をツガニが助け、大蛇を退治したという伝説がもとになっています。
「三池」という名称も、大蛇が退治されて流れ出た血が三つの池を作った、という伝承がもとになっています。明治時代に入って炭鉱が採掘を開始すると、工業都市として人口が急増。その中でお祭りが今のような大掛かりな形になったようです。
現在は炭鉱が閉鎖され、ピーク時には30万いた大牟田の人口も、10万近くにまで激減しました。ところが、この祭りの時だけは大牟田の人口が3倍に膨れ上がると言われ、いかににぎやかに催されるかがわかります。
また、戦後は禁止されていますが、かつては大蛇山祭りが終わったあと、大蛇の左目を奪い合う争奪戦が繰り広げられていました。これを持っていると家に幸福が訪れるとされたからです。このため、けが人や死者も出ていたという話です。
大蛇山祭り無病息災
このように信仰の対象にもされ、大牟田市民からのシンボルにもなっています。そして、このように龍が火を噴いて暴れまわる様は海を越えて、アメリカのハワイでも人気を博し、現地で大蛇山を動かしたこともありました。
大蛇山は7月28日、29日 、前述の山車以外にも、いくつも見どころがあります。「1万人の総踊り」では、市内の市民団体や企業、老人ホーム、ボランティア団体などが、「月が~出た出た~月が出た~のヨイヨイ」でおなじみの炭坑節を踊り、パフォーマンスを競います。
他にも、無病息災を願って大蛇の口元に小さな子供を食べさせようとする「噛ませ」、子供達が大蛇を引っ張る「ちびっこ大蛇」など、どれも是非とも一度ご覧になって損はないイベントばかりです。
ただ、やはり一番の見どころは最終日の最後のイベント、大蛇の大集合でしょうか。この時は13匹もの大蛇が現れて通りを練り歩きます。当然迫力満点で、祭りの最後を飾るのにふさわしいイベントとなっています。
大蛇山祭り駐車場は?アクセスは?
最寄り駅は、西鉄大牟田駅とJR大牟田駅です。両駅とも会場から徒歩5分ほどというかなり短い距離で到着します。自動車の場合は、九州自動車道の南関インターチェンジからおりておよそ20分、有明沿岸道路の健老インターチェンジからはおよそ5分で到着します。
なお、会場は歩行者天国なので、車の進入はできません。駐車場としては、中友小学校や大正小学校が駐車場として開放されますが、かなり大勢の人々が来るので車はあまりおすすめできません。
駅が非常に近いので公共交通機関を利用されることをおすすめします。福岡県大牟田市 大正町通り0944-41-2750