姫路ゆかたまつりは、昔、長源寺の境内に社を移した際、その時行われた遷座祭に多くの町人が参加できるよう、浴衣での参加を認められたことに始まります。浴衣は当時、下着のような扱いだった為、その格好で人前に出ることは憚られていたが、この事があって日本全国に浴衣を着る風習が広まっていったと言われています。その為、全国のゆかたまつりの原型とも言えるでしょう。
姫路ゆかたまつりは出店が楽しい。何が欲しいんや?
私にとって姫路ゆかたまつりの一番の見どころといえば、やはり出店です。私が子供だった頃、(十数年前)800近い出店の数があり、人の数も今に比べて多かったように思います。
ほぼ決まった場所に毎年決まった店が出ていたので、どの通りの角の唐揚げ屋が一番安く、一番量が多いかや、どこのカステラが一番おいしいから人がどこよりも並んでいる等、有名で人気なお店はある程度決まっていたような印象があります。
大手前広場の一番奥にお化け屋敷があったのですが、その前でマイクを持ってお化け屋敷に客を呼び込むおばさんを今でも鮮明に覚えています。今は出店の数が減り、そのお化け屋敷もなくなってしまって少し寂しく思います。
くじびきでは、的屋の兄ちゃんの「1~10の数字が当たれば今まで使ったお金も全部返してあげるし、PS2もつけてあげる!」という甘い一言にのせられ、友達と一緒に持っていったお金全てを使い果たした苦い思い出もあります。
ペットくじではハズレのひよこは貰って帰ることができなかったので、店のおじいさんに「全然当たらん!」とゴネたところ、「何が欲しいんや」と尋ねられ、「うさぎが欲しい!」と答えるとおじいさんは不思議なことを言います。
姫路ゆかたまつりの出店で大人を知る
「そのくじの中からなんぼか掴んで見せてみい」言われた通りにたくさんのくじの中から適当に一掴みしたものをおじいさんに渡すとその中からおじいさんが一枚を選別し私に差し出しました。開いてみるとうさぎの当選番号で、このおじいさんの大人の力を魅せつけられたと感じました。
二日目の日に母親と妹と一緒に同じペットくじの前を通ったところ、20代前半くらいの2組の男女のカップルが昨日のおじいさんに同じようにくじを選別されている場面に出くわしました。
それを見ていた母親が私に囁きます。「兄ちゃんがくじを掴んで渡す前に、おじいの手元を見とってみい」よく見ると、若者や私たちから一掴みされたくじを受け取る前に既に当たりのくじをおじいさんは手元に隠し持っていて、あたかも私たちの選んだくじの山の中から選別しているように見せていたのです。
そして私がおじいさんに当ててもらった?うさぎですが、病院に連れて行くと脳の病気だったらしく、数カ月もしないうちに死んでしまいました。ペットくじの的屋で大人の闇を知った瞬間でした。
型抜きでは、器用な友達と何度もチャレンジしましたが、不器用な私は一向にうまくいかず、失敗した型抜きをペロペロと舐めておいしいと言いながら、同世代の子たちが型抜きをしているのをよく見ていました。
型抜きの店のおじいさんは汗を垂らしながら常にたくさんの子供達に囲まれていて、その時のおじいさんの笑顔はとても幸せそうだったのを覚えています。
そして一方で、当時の姫路ゆかたまつりは今に比べると治安が悪く、徒歩暴走族の問題も有名で、カツアゲされないように学生の頃は靴下の中に1000円札を忍ばせて行っていました。
今の姫路ゆかたまつりは、そのような問題は全くと言っていいほどなくなりましたが、出店の数が減少し、そういった面では少し寂しいように感じます。
明るい昼間のうちはパレード等、見どころはたくさんあるので小さなお子さんを連れている親御さんたちや、遠くから姫路にお越しの方は是非、出店の出ていない明るいうちの散策もおすすめです。
仲夏に差し掛かる頃の姫路では、昼間は眩く輝く太陽が、夕方には陰る日差しが、そして夜には0時までライトアップされた白鷺城が美しく照らし出されています。
姫路ゆかたまつりでは、浴衣を着てきた方に様々な特典として、観光施設入場無料があり、遠くからお越しの際は是非、新しくなった姫路城に登られてはいかがでしょうか?
その他と特典として神姫バス料金半額は地元の方にとって、かなりお得になりますし、各商店街での割引は出店を見て回る際に非常にお得になります。
姫路ゆかたまつり、2018年はいつ?駐車場は?
2018年は6月22日~24開催で姫路駅前の大手前通りが開催地となるので、電車、バス、徒歩でアクセスしやすい。駅前パーキングは多いですが、ほぼ止められないと思ったほうがいいです。
長壁神社・城南公園周辺・商店街がまつり会場となりますが、姫路駅前から大手前通り周辺にたくさんの出店が並んでいます。姫路ゆかたまつり振興協議会事務局079-287-3652