2018年10月上旬、たまたまスケジュールが空いた上にお得なプランがあったため、鬼怒川温泉へ一泊二日の小旅行をしました。泊まったホテルの大浴場は広く整備が行き届いていて、内湯と露天が時間帯によって男女が入れ替わるシステムでした。
大人も子供楽しみ方は同じ?
鬼怒川の崖にそびえるホテルで、料金は大人二名で1万5千円程度だったと記憶しています。温泉は館内に併設されており宿泊客は無料で使用できるとあって、疲れた心と体を温泉に入り倒してやるぞ、と気合いをいれていました。まずは露天に入ったのですが、鬼怒川の渓谷を臨む風景はまさに絶景としか言いようがなく、思わずほっとため息を漏らしてしまうほどです。
私が利用したのは10月上旬と紅葉シーズンにはまだ早い時期のことでしたが、おそらく11月上旬から中旬にかけての時期は、鬼怒川が最も美しく染まるのでしょう。また来年も来ようと素直に思わせてくれる、風光明媚な自然が美しい露天でした。男女が入れ替わってから、内湯にも入りました。こちらは露天とは違い湯船が広く、入浴客が少ないのをいいことに思わず泳いでしまいました。
後に、たまたまその姿を見ていたお子さんが泳ぎだして親に注意されているのを見て、泳いだ身としては内心苦笑い。悪い大人を見習ったがために怒られているお子さんに、心の中でごめんねと謝りました。
鬼怒川では、逆?
さて、鬼が怒る川と書いて鬼怒川ですが、はたして鬼にまつわる伝説はあるのでしょうか。鬼怒川へ向かう前にざっと調べたところ、鬼怒川は元々「絹川」や「衣川」等、養蚕が盛んであったことを匂わせる情報がヒットしました。さらに調べると、この地方の有力な豪族だった紀氏の川を意味する「紀の川」から転訛した、あるいは風土記には「毛野川」と記載されています。
鬼にまつわる伝説等は特に見当たりません。あれ?と肩すかしを食いながらも鬼怒川温泉街を巡ると、いたるところに鬼のモニュメントや階段アートが。後々調べてみると、温泉街に点在する七つの鬼を巡る、スタンプラリーが開催されていたようです。鬼の伝説があるのかどうかは結局分からずじまいですが、鬼怒川温泉街はその名の通り、鬼が生きている場所だったようです。
余談ですが、鬼怒川一帯では節分の豆まきの時、「鬼は外、福は内」ではなく「鬼も内、福も内」と声を上げるそうです。少なからずこの地域の人は鬼を毛嫌いせず、友情を育んでいるように感じ、思わずほっこりしてしまいました。
廃墟ブーム?
鬼怒川一帯の観光名所と言えば、やはり渓谷の大自然でしょう。渓谷の遊歩道を散策することはもちろん、登山や川釣り、上流ではラフティングなどのレクリエーションも体験できるようです。そして何よりディープな観光名所としてオススメするのが、鬼怒川温泉の廃墟散策でしょう。かつて列島がバブルに沸いた時代、鬼怒川は都心から2時間というアクセス性の良さから、一大観光地となりました。
鬼怒川の渓谷の両側にせり出すように大型のリゾートホテルが建てられ、一時は大勢の人々が束の間の休息を楽しんだと言われています。ですがバブル崩壊に伴って一転、鬼怒川温泉街は苦況に立たされました。景気悪化が一番に飛び火するのは、観光や余暇などの事業です。バブル期に一世を風靡した鬼怒川温泉街は凋落し、今ではその痕跡が鬼怒川渓谷の東側、上流に向かって右側に広がっています。
廃墟は閉鎖されており立ち入ることはできませんが、廃ホテル、廃旅館の物悲しい雰囲気を少しでも味わってみたい方にはオススメかもしれません。
アクセスは?
鬼怒川温泉街までの交通手段は、東武鉄道を利用するのが一般的でしょう。北千住駅始発のスペーシアやリバティといった特急や新宿駅発のものもあり、基本的には乗換なし、2時間足らずで鬼怒川温泉へ到着します。また、一日数便ではありますが羽田・成田等の空港行き、東京駅等の長距離バスも存在しますので、ご自分のご予算と所在地によって使い分けることも可能です。
車であれば、東北道を宇都宮インターから日光有料道路に乗り換え、今市ICで下りると確実です。ただし、鬼怒川温泉街は渓谷に作られている性質上、土地が限られており駐車場も少ないです。駅前の大型駐車場を利用するか、もしくは宿泊するホテルに自動車で行く旨を事前に伝えておくとスムーズでしょう。
まとめ
鬼怒川温泉の楽しみ方、観光名所、交通手段などについてお伝えしてきましたが、実はもう一点、鬼怒川温泉街が力を入れている観光テーマがあります。それは「美食」です。鬼怒川温泉のホテルは美食ビュッフェを謳うホテルが多く、地産地消、鮮度抜群の栃木牛や獲れたばかりの山菜、川魚などでお腹の中まで満足感を味わえます。温泉に観光に、そして食。ゆったりとした時間が流れる鬼怒川温泉で、皆さんもリラックスしてみてはいかがでしょうか。