10月上旬、男友達みんなで榊原温泉に行ってきました。旅館名の清少納言という名前からも分かるように、歴史のある旅館です。近鉄の榊原温泉口駅から旅館までの送迎バスが無料で出ているため、時刻さえ合わせれば利用はしやすいように感じました。日帰りで利用したので宿泊費などは把握していませんが、券売機で購入する方式で大人1人1,000円、タオルの貸し
日帰り利用で、飲んでみると…
出し料金が200円という少々高めの価格設定でした。また、温泉の利用は2時間まで、とのことでした。私の利用した旅館の榊原温泉ではなんと源泉をそのまま飲料水のように飲むことが出来てしまいます。浴場の暖簾の前にある休憩室にはよくある給水機(飲食店などで見かける)が設置してあるのですが、その隣にもう1つ給水機が置いてありました。特に注意書きや看
板のようなものを読まずに水を飲んでみると、口の中に硫黄の匂いが広がり、予想していなかった味に大いに驚きました。なんとそちらは榊原温泉に使われている源泉が出てくる給水機であり、コップ1杯~2杯程度の量ならば体にも良いとのことでした。硫黄というのは「腐った卵の臭い」と呼ばれるようなものであり、その風味は決して良いものではなかったのですが、
それを覚悟した上で健康のために飲むのであればそこまで気にならない味わいであると感じました。私は自分だけがこれを飲んでしまったという事実を残念に思い、「温泉は肌に浸透して体内に入ってその効能が得られるのだから、飲んで体内に入れるのも大きな効果があるはずだ」と友人たちを説得して私と同じように飲んでもらいました。決して道ずれにしたかったわ
けではありません。げっぷをすると「硫黄の味」がほのかに返ってくるのが少し気にかかりましたが、友人たちと共有した楽しい思い出の1つとなりました。
清少納言の湯で清めお伊勢参りにイザ
旅館の名前である清少納言は、清少納言が枕草子にて「湯はななくりの湯、有馬の湯、玉造の湯」と詠っていたところからきています。この「ななくりの湯」というのが当時の榊原温泉の呼び名です。また、榊原温泉の湯に浸かると肌がぬるぬるすることから美人の湯、美肌の湯なんかと呼ばれたりします。肌がぬるぬるする理由は科学的にはよく分かっていないのが現状だ
そうですが、弱アルカリ性の単純温泉であることが関係しているのではないかと言われています。榊原温泉が歴史のあるスポットであることは前述した通りですが、榊原温泉は天皇陛下が伊勢神宮に参拝する前に身を清めるために訪れていた場所でもあります。これは「湯垢離(ゆごり)」と呼ばれ、お寺などの手水舎で手や口を洗うのと同じようにお湯で体を清める儀式と
されていました。榊原温泉で「ゆごり」を行い体を綺麗にしてからお伊勢参りをするのが当時からの参拝ルートだったようです。温泉近郊の観光となればやはり伊勢神宮が上がることになるでしょう。榊原温泉で体を清め、伊勢神宮に参拝してお伊勢参りをするのが古くから親しまれてきました。また、各旅館では6月には名を「蛍灯(ほたるび)」として湯に舞う蛍と七夕
を組み合わせたイベントが開催されたり、2月にはお雛様の展示や十二単・宮司の正装束の試着などが行える「榊原温泉のお雛様」というイベントも開催されているそうです。榊原温泉の旅館の土産屋には「まろみ」シリーズと呼ばれる、榊原温泉の源泉水と榊原で作られていることで有名な「古代米」エキスを組み合わせたオリジナル商品を買うことができ、お土産などには最適でしょう。当旅館でも古代米カレーが食べられましたし、他には古代米スイーツもあるようです。
アクセスは?
近鉄の榊原温泉口駅から旅館までの送迎バスが出ています。もちろん無料で代金はかからず、時刻も30分置き程度で出ているので個人的には利用しやすい手段であると感じました。
まとめ
源泉であると知らないままコップ1杯分の水を一気に飲んで驚いてしまうようなハプニングはありましたが、そのおかげもあって楽しい旅行となりました。