曳山が駆け抜ける秋の唐津くんち。毎年11月2日から4日まで開催される九州佐賀県唐津のおくんち、唐津くんちは唐津の地元の人には正月よりもある意味重要なお祭りです。そもそも唐津くんちは、唐津神社の秋の例大祭で一年の収穫に感謝するためのものです。その表現として現れたのが、曳山です。
唐津くんちの曳山の山車は無形文化財
唐津くんちは、佐賀県の重要有形文化財の指定を受けたのち、昭和55年には国の重要無形民族文化財の指定を受けています。迫力のある曳山の山車は、唐津くんちの時期以外唐津神社の前に曳山会館という博物館的な建物の中に保管展示されていて休館日でなければ、見学することが可能です。
秋の例大祭とはいえ、地元の人たちは、正月は帰省しなくても唐津くんちには帰省して、家族親戚や知人と再会を果たすと言われるほど地元に根を張ったお祭りです。そして、この時期に唐津を訪れる人は誰であろうともてなすことが唐津っ子の心意気という人が多いのも特徴的です。
海の街である唐津が故に、海に関連した仕事をする人も多く、そのことが、自然に対する畏敬の念ともてなし、信仰心といったものが強いのかもしれません。
唐津くんちの見どころは?
鯛の曳山や武田信玄の兜の曳山等々、各町毎に作成された曳山が町を回る宵山からスタートし、翌日はお旅所神幸がありこの際の引き込みと言われる光景は一番の見どころです。引き込みというのは、街を駆け巡ってきた曳山を小学校のグランドの中に引っ張り入れることです。
小学校のグランドも、この引き込みのために、整地したグランドを重機でフカフカの砂場のような状態にして曳山がそう簡単に進めない状態にわざとしてあり、それが祭りを盛り上げる一つの演出ともなっています。そして最終日には、町廻りといってまつりのフィナーレとなるものが行われ、曳山展示会館に収まって行きます。
唐津の知り合いをこの時期訪ねると、普段ならありえないおもてなしを経験します。唐津くんちの期間中は、基本的には、知らない人の家であろうとなかろうと、お接待の用意をしてくれている家であれば、上がりこんでも特段問題とはなりません。とはいえ、すべての家というわけではありませんので、注意は必要です。
唐津くんちのもてなしは、アラが立派
お接待の用意をしている家では、3ヶ月分あるいは人によっては一年分の稼ぎを、くんちで使い果たすのが唐津っ子の粋だからとすごい質と量の料理が並んでいて、好きなだけお食べくださいという状態には最初行った際には驚きました。特に「アラの姿煮」の大きさには、ビックリしました。
私は唐津の知り合いと一緒に街に繰り出していたので、あちこちで声をかけられ、上がりこんでは酒と料理に舌鼓を打ち、通りに出るとまた声をかけられということの繰り返しで、一日中地元の人との会話と食事ばかりしてお祭りを過ごした思い出があります。肝心の曳山は通りで少々見たくらいの感じで、全部を見たのは、曳山会館の中で改めて見たのも思い出です。
昼の祭りの感じと夜の祭りの感じの違いもあるのも、このお祭りの醍醐味でもあります。気っぷのいい唐津の人たちの心意気が感じられる勢いを感じるお祭りです。
唐津くんちへアクセスは?駅は?
JRであれ、バスであれ、JR唐津駅を目標に向かいます。福岡方面からは、地下鉄で唐津行きに乗車するか、バスであれば天神から出ている唐津大手口行きが良いと思います。佐賀方面からは、JR唐津線で唐津行きに乗車するのが一番だと思います。
そこからは、駅周辺は、曳山の通り道にもなっていて、車両通行止めの箇所が大半なので、徒歩での移動が基本となるかと思います。駐車場はあまり多くなく、仮に駐車するとすれば開催されている場所からはかなり離れた場所でなければ、駐車できないと思います。それに振る舞い酒も多いと思いますので、できれば公共の交通機関の利用の方が良いかと思います。
唐津くんち
会場:佐賀県唐津市の唐津神社周辺 一般社団法人
電話:唐津観光協会 0955-74-3355