群馬県の北側、長野県との県境にある万座(まんざ)温泉は、四季を通して美しい自然と温泉の効能、どちらも楽しめるところです。標高1800mに位置する高原に位置しており、紅葉は10月上旬に始まり、中旬にはピークを迎えます。
万座温泉に宿泊?日帰り?
関東の観光地のどこよりも早い紅葉を愉しむことができるのです。まだ緑が残る首都圏から万座温泉を訪れて一面の紅葉を目の当たりにすると、まるで別世界のように感じるでしょう。
歴史のある温泉だけに、名の通ったホテルや旅館は10館ほどあります。宿泊料金はまちまちですが、1泊2食付きでは2名1室で1,500円前後となっています。万座温泉には「立ち寄り湯」、いわゆる日帰り入浴専門の施設はありませんが、ほとんどのホテルや旅館のお風呂で、内湯や露天ぶろへの日帰り入浴が可能です。
入浴料は、1,000円から1,500円くらいが目安です。泉質は、近くの草津温泉と同じく硫黄泉です。すべてのお風呂が混ぜもの無しの源泉かけ流しとなっています。
万座温泉の効能は?においも?
バスを降りる前から、あたりに漂う強烈な硫黄の香り。到着するとさらにそのにおいが濃くなって…。私もかつてはそうですタガ、初めて万座温泉を訪れた人は、まずそのにおいに圧倒されるでしょう。でも、それこそ、本物の温泉のあかしといえます。
硫黄泉は血管を拡張して血流を促進し、神経痛や筋肉痛を改善する効能が良く知られています。万座温泉をひいきにしている有名スポーツ選手もいるくらいですし、血流の促進は、女性の美容効果や冷え性への効能も期待できますね。
何よりも印象に残るのは、有名温泉地につきものの“俗っぽさ”が感じられないことです。年配の知人に、万座温泉の長年のリピーターがいますが、彼からさんざん聞かされてきた万座温泉の魅力は、何よりも、雄大な大自然に立地する点です。
ダイナミックな高山の眺めはいつ訪れてもすがすがしく、彼のように、あえて草津ではなく万座を選ぶという人も少なくありません。最近では、カラフルな登山服姿の山ガールたちもずいぶん見かけるようになりました。
万座温泉の由来は?お土産は?
万葉歌人の坂上田村麻呂が鬼退治をしたという伝説のある万座温泉ですが、その歴史は古く、先史から続くという説もあります。近隣の草津温泉ほどメジャーではありません。浴衣姿でそぞろ歩きをする人もおらず、賑やかな温泉街もありませんが、その分、雄大な自然に囲まれ、山並みだけでなく、時として雲海も望める露天ぶろでは、1日の湧出量は540万リットルという豊かな温泉をぞんぶんに楽しむことができます。
おみやげは、近隣の草津と共通点があり、独特の香りを持つ高原花豆を原料にした「花豆うすかわ饅頭」や、山に生える笹を利用した「笹ごまたれ餅」などが知られています。
万座温泉ならではのおみやげとしては、硫黄の香りの“移り香”です。帰路の途中で気づくのではないでしょうか。え、硫黄臭?なんて苦手意識があった香りが、思い出とともに大好きな懐かしい香りに変わっていくかもしれませんよ。
万座温泉へアクセスは?
アクセス方法はいくつかあります。最寄り駅はJR吾妻線の「万座・鹿沢口」駅です。最寄りといっても、駅から20kmあまり離れていますから、路線バス「万座温泉」行き(西武高原バス)を利用します。約40分の所要時間です。
北陸新幹線の軽井沢駅からも、万座温泉への直行バス「万座温泉」行きが出ています(西武高原バス)。距離にして約50kmあり、2時間近くかかりますから、宿を予約してての滞在がおすすめです。ホテルによっては、首都圏からの直行バス付きプランを運営しているところもあります。
待ち時間などを考えると、お金がかかっても、マイカーやタクシー利用が合理的な場合もあります。ホテルや旅館には駐車場が確保されていますので、満車で入れないということはほとんどありません。