長南町は千葉県の中心部にある、低い山々の中にある町です。名所は何といっても、坂東33か所31番札所である、重要文化財の笠森寺です。清水寺を小さくしたような造りで、秋は周りの山々の紅葉がとても美しい所です。近くには報恩寺という、やはり、重要文化財指定の木造阿弥陀如来座
歴史は古く、指定席販売も?露店も出る?
像を持つ寺があります。長南町大花火大会の歴史は古く、1819年(文政2年)まで遡ることが出来ます。昭和5年には全国花火大会が長南町で行われました。毎年8月の恒例行事として、町民の方々に認識されている行事です。事前に指定席の販売があります。何区画でどの場所がいいか決めて買
うことが出来ます。私たちは6人で2区画、前から2列目を購入しました。指定席からですと、打ち上げ花火が真正面に見え、また、距離がとても近いのです。灰や花火の欠片が降ってくることはしょっちゅうです。花火大会会場では陸上競技場が指定席ゾーンになります。すぐ前の山のふも
とから打ちあがります。指定席へは通行手形を見せて入ります。その時に、下に敷くレジャーシートがもらえます。後方には仮設トイレがたくさん並んでいるので、小さい子がいてもトイレの心配は不要です。一般席ゾーンは隣の中学校の校庭です。こちらは陸上競技場よりも一段低くなって
います。そしてここには夜店が陸上トラックを囲むようにずらりと並びます。会場は長南町陸上競技場と隣接する長南中学校グラウンドです。毎年、8月17日の19時から21時です。花火の始まる前や合間に夜店を覗くのもまた、楽しいものです。多くの人は開始時間より前に到着して、
お弁当を食べています。花火のプログラムは新聞の折り込みチラシに入っていたり、町役場などでもらえます。提供した企業や個人名と、花火の題名が書かれています。「題名、今宵の星と花火に乾杯。提供、○○株式会社」のような感じです。たまに、「題名、おじいちゃん90歳おめでと
う。提供、家族一同」のようなものもあります。会場では花火の打ち上げ前にこの放送が入ります。なので、題名や提供者を聞くのも面白いと思います。とにかく、花火が近距離で打ちあがりますから、迫力満点です。着火する様子まで見えます。また、山に囲まれているので、音が胸にドーン
っと響いてきます。特に、落ちて来る時に尾を長く引くタイプの花火は、自分の真上にキラキラと降りてきて、包まれるような錯覚に陥ります。手を伸ばせば届くような気もします。しかし、灰や花火の欠片が次々に降ってきます。レジャーシートの上は黒い粒々でいっぱいになります。です
が、花火の欠片なんて、なかなか触れるものではありませんから、子供たちは集めて明るいところで改めてじっくり見ていました。尺玉、スターマイン、大スターマインなど、変化に富んだ花火を楽しむことが出来ます。私達は毎年、この花火大会を見に行きます。20年前、今はもう鬼籍に入
ってしまった祖父がまだ、現役だった頃のこと。祖父の会社提供で、会社の名前が入った仕掛け花火がプログラムの最後にやるのが定番でした。その仕掛け花火は今はもうやっていませんが、この花火大会に来るたびに思い出されます。また、同じく去年鬼籍に入ってしまった祖母はいつも花火
大会用にと、千葉県名物の「祭り寿司」を作ってくれたものです。太巻き寿司の中が、寿という字になっていたり、松や梅の絵になっていたりします。花火大会の前に食べたお寿司。町の年に一度の大イベントですから、祖父も祖母も張り切っていたのでしょうね。今も、皆さんの、花火打ち上
げ前に美味しそうにお弁当をたべている姿があります。画像はイメージです。
アクセスは?
会場は、千葉県長生郡長南町長南2060 町立長南中学校グラウンド/ 長南町報恩寺547-1 陸上競技場
お問い合わせは、長南町観光協会、産業振興課 0475-46-3397
開催地は鉄道駅から遠い場所で、臨時バス等もありませんですから、多くの方は車か自転車で来られます。圏央道茂原長南インターチェンジから10分ほどです。会場から近い駐車場は直ぐ一杯になってしまい、「あちらの駐車場へ」と、どんどん遠くを案内されます。駐車場には警備の方や警
察の方がいて、案内してくださいますので、わかりやすいと思います。早い人は16時台には駐車しているようです。花火を打ち上げる山の周辺は交通規制で入ることが出来ませんが、地元の方しか知らないような細い町道ですので、心配はいらないと思います。また、帰りの時間はなかなか駐
車場から出ることが出来ません。ゆっくり夜店を楽しんでから帰るなど、時間をずらした方が良いように思います。
まとめ
土地柄か、今も親子3世代や、親戚一同会して、といったメンバーで鑑賞される方が多い花火大会です。おじいさんおばあさんと孫、親戚の大きいお姉ちゃんと小さい赤ちゃん、などといったほほえましい姿があちこちにあります。私もまた、祖父、祖母との思い出を抱えながら、今は両親と子供
たちと3世代で見に行っています。こういう、全ての世代の人が楽しめる花火大会がいつまでも続いてくれることを祈るばかりです。
今年の花火大会の新しい思い出を胸に。