私の自宅からは箱根の山々は比較的近くてアクセスも容易。何かと理由を見付けてはカメラ片手に愛車を1時間ちょっと飛ばして様々な風景を撮影しに行くのですが、もちろん紅葉スポットもメジャー・マイナーに関わらず大変豊富。その中でも比較的良質な紅葉スポットが集中している小涌谷から強羅エリアなのですが、今回はあまり本格的に観光客も撮影に訪れない強羅のマイナースポットを中心に巡ってきました。
早雲山から強羅へ。紅葉の楽しみ方は?
出掛けたのは11月下旬に入ったばかりの頃。箱根湯本に入った時から遠方に見える山並みが鮮やかなオレンジに染まっているのが確認出来、期待度は大。日中になると駐車スペースも少なくなってしまいますから、急いで現地を目指す事にしました。
最初に訪れたのは箱根ロープウェーの早雲山駅。駅のロータリー周辺には各種のカエデが植わっており、それらが美しい紅葉で彩られると、背景にある早雲山とのコントラストが素晴らしく、この風景に気付いた数年前からは必ずここを訪れる様になっています。ここで数枚撮影し満足してから周辺を適当に散策。
またこの駅に登ってくるケーブルカーの道中、左右両サイドも紅葉が美しく、すぐ下を通る道路沿いからも堪能・撮影出来るスペースもあり、駐車スペースを気にしながらも堪能出来ました。
大涌谷方面は大渋滞している事が容易に想像出来ましたので、そこまでは向かわず、一旦強羅の街中に降り、定番の強羅公園を散策して1時間程過ごしました。強羅公園内の紅葉樹は種類も多く、定番となる数種類のカエデやモミジの他ドウダンツツジ等が美しい紅葉を楽しませてくれます。
土曜日で午前中にもかかわらず入場者が多く、早目に駐車場に入れてホッとした気分でした。その後は強羅の北側からポーラ美術館に至る県道733号線沿いを散策。適当な路駐スペースを見付けては車を停め、時折現れハッとさせる美しい紅葉の風景を撮影して過ごしました。
道中の森林地帯は決して紅葉が派手という訳ではありませんが、静かな晩秋の森の中、大変リラックスして過ごせます。たまに上空の木漏れ日の中、ひらひらと赤いカエデの葉が舞い落ちてくるのが何とも幻想的でした。
また強羅の街中に至るワインディングからは北側にある小塚山周辺の山麓が見渡せ、手前から紅葉したカエデが密に分布しているエリアがあります。駐車スペースは殆ど無かったものの、運良く通行する車も無く、1分程停めてその風景をカメラに収める事が出来ました。
早雲山の温泉は泉質は?
明治時代から国内有数の別荘地として開発が進んだ強羅エリアですが、一般の住宅地とは違い、十分な広さの庭園や緑地が居住エリアとの間を隔てている事もあり緑が大変豊かです。
また有名温泉地でもあり高級旅館やホテルも多く、その関係で樹木も良く整備され、特に晩秋は美しい紅葉エリアとしても知られています。このエリアのすぐ上を通る裏道からは、上記の様に早雲山駅を経由の上、大涌谷方面へもショートカット出来大変便利。
温泉の泉質は様々ですが、それらの中でも特に大涌谷から直接引いた硫黄泉はいかにも身体に効きそうな白濁した濁り湯。実際に肌が美しくなる美人の湯としても親しまれています。
箱根の火山らしい噴気地帯と聞くと、多くの人が真っ先に大涌谷をイメージするものですが、実は上記の早雲山駅から登る登山ルートの道中にも小規模な噴気地帯があります。
また2001年の活動により誕生した上湯の噴気地帯も早雲山駅と大涌谷を結ぶ県道734号線沿いにあり、路駐し見学する事も出来るでしょう。このエリアの紅葉をマイカーで堪能するには、余程早い時間帯に訪れるか、観光客の少ない平日午前中を狙わないと、かなりの不便を伴う事になるでしょう。駐車スペースが非常に少ないのが致命的であり、じっくりのんびりと堪能出来ないのが痛いのです。
早雲山の最寄りは?駐車場は?
エリアだけに絞り、紅葉を堪能したいのであれば、箱根登山鉄道やケーブルカーといった公共交通機関を利用した方が断然有利、かつ便利でしょう。最寄り駅は、早雲山駅。箱根登山ケーブルカーとの中継地点になります。晴れた日は、箱根はもちろん強羅の街並みも一望できるほど。
強羅公園を始めとして駐車場を完備したスポットであれば、マイカーによるアクセスも視野に入りますが、キャパは少なめであり、特に日中から午後に掛けて訪れる場合は注意が必要。一方その周辺に位置する県道沿いから森林地帯の紅葉をメインに堪能するのであれば、多少は路駐出来るスペースもあり、ぐんとハードルは低くなるでしょう。
箱根エリアは出入り口が少なく、時間帯により一気に車が集中し、きついボトルネックとなってしまいます。特に夕方前後の箱根湯本に至る旧東海道の上り線は確実に渋滞しますから、マイカー利用の場合はある程度の覚悟は必要です。これは路線バス利用の場合にも当て嵌まりますから注意が必要。やはり多少混雑したとしても、箱根登山鉄道のアドバンテージは大きいのです。