文化の日前後は、「金葉祭」なる北海道大学のイチョウ並木がすごいんです。札幌市内には、中央区の中島公園や札幌医科大学周辺など含め、紅葉スポットならぬイチョウの「黄葉スポット」は多いのですが、最近の圧巻は北区の北海道大学です。この大学はキャンパスの広さでは日本一の広さを誇っています。
どの門?
この広さゆえに、入る門はいくつもあるのですがイチョウ並木があるのは北13条の門です。この門を入って突き当りの工学部の入り口までおよそ380メートルの見事な黄色の空(トンネル)とじゅうたんに染まります。昔はほとんどの人は無関心なほど大したことはありませんでしたが、ここ10年でしょうか、大勢の市民が朝から繰り出して写真を撮ったり銀杏を拾ったりと大賑わいです。
大学側は夜間もライトアップでサービスしています。私も散歩がてら、というより1日2時間から3時間のウオーキングで市内を歩きますが、11月3日の文化の日前後は、この北海道大学を目指します。落ちている銀杏だけでは飽き足らず、はいている靴を脱いで銀杏の付いた枝めがけて放り上げてるおじさんまで現れます。そのおじさんの靴が枝に引っかかって落ちて来ないこともありました。
もう片方の靴を脱いで、今度は枝に引っかかった靴めがけて投げているおじさん。皆の応援もあって靴は落ちてきましたが、おじさんは銀杏を拾わずにすごすごといなくなりましたっけ。
大学のシンボルは変わらず美しい
この北13条の並木道の北側は、広い駐車場を挟んで北海道大学付属病院です。重篤な入院患者さんを見舞いに来る人々にとっては、この黄葉シーンはすぐ目に入る光景ではないかもしれません。しかし、見舞いの帰りに立ち寄って帰る人も多いのです。なにせ、時期になるとNHKをはじめ民放テレビ局も中継やらニュースでこの圧巻の黄色を放送するようになりました。
北海道大学は、あのポプラ並木が有名でこの大学のシンボルでもありますが、ある年の台風でかなり痛めつけられて以来、少し知名度が落ちたような気がします。その分、この黄色いイチョウ並木が脚光を浴びているのです。黄色はきれいですが、銀杏のあの独特の臭いにもかかわらずこの人気はますます高まるばかりです。昔、北海道大学は、観光スポットとして一般の観光客をそのまま受け入れていました。私が学生の頃ですから今から50年ほど前までは、だれでも自由に構内に入れました。
いまでも、どこの門からも入れるのですが、車で入ることは制限されています。勉学の邪魔になるほど大勢の観光客が入っていたからです。今は、門の入り口に守衛さんがいて、車の出入りをチェックしています。単なる観光目的の車はシャットアウトです。
大学ですから、お土産などはありませんが。この3~4年前からでしょうか、学生さんの運営する屋台らしきテントも一軒出て、暖かいものを提供しているようです。その横ではサークルの一つ「北大オーケストラ」のメンバーが弦楽四重奏など演奏しながら公演の宣伝とチケット販売などをやっていたりします。最近は北大金葉祭(ほくだいこんようさい)とかいって大学側も宣伝したり情報を出したりしています。観光客を基本的にシャットアウトしているのに、それと矛盾するような気もするのですが、とにかくきれいな黄色に心洗われるのです。
アクセスは?
どうやって行くかですが、札幌駅の北口を出て、北の方向に歩いていけばよいのです。15分もかかりません。途中で山の見える方に曲がりましょう。札幌はご存知の通り、京都と同じよう碁盤の目のような街並みです。基本は、山が見える方角が西、と覚えればいい。西の方角が分かれば、東西南北はおのずとわかりますよね。交差点ごとに「〇条〇丁目」という表示もしっかりありますからあまり迷わないで北13条門までたどり着けます。
歩きたくない人はタクシーで北大病院とか北大の北13条門と言えば大丈夫です。地下鉄なら、南北線北13条駅で降りて、地上に出たら山の方向に歩いていけばいい。ほんの5、6分です。
まとめ
北海道大学のイチョウ並木は、今や、東京神宮外苑の並木に匹敵します。イチョウの黄葉時期は意外と短いですよ。したがって、年によっては11月3日の文化の日より早く盛りになってしまうこともあります。気を付けて情報収集した方がよろしいかと思います。