私は生まれも育ちも柏崎市です。200年以上の歴史があるこの祭りには、私の両親も、祖父母も、そのまた祖父母も……みんな参加してきました。物心ついた頃にはもう、母に手を引かれて水ヨーヨーや綿あめを手に夜店を見たことを覚えています。えんま市は、柏崎中の子どもたちが楽しみにしている、三日間だけの特別な夜なのです。えんま市は柏崎市の目抜き通りであ
いつ?交通止め?
る本町通り、約2kmの区間にずらりと露店が並ぶ、全国でも類を見ない規模のお祭りです。元々は200〜300年ほど前に、馬市として始まったと言われています。1820年にはすでに、見世物と露店が並ぶ現在のえんま市に近い形に変化していた記録が残っており、私の母や祖母の頃には、芸をする動物たちや大道芸人などもいたそうですが、現在の主流はくじ引きや射的、
金魚すくいやヨーヨーといった昔懐かしい露店や、りんご飴、綿あめ、たこ焼きや焼きそばなど食べ物の屋台がずらりと並びます。午前10時から午後10時まで開催されているので、日が暮れた後、夜道が露店のライトで眩しいくらいに照らされる景色は、きっと日本中でここでしか見れないでしょう。どこか懐かしいような、夢の中のような不思議な雰囲気で、まだ数えるほど
しか夜の外出を経験したことのなかった小さな頃は、とてもわくわくしたことを覚えています。「えんま市」毎年6月14日〜16日に行われます。「えんま市」という名前の由来は、本町通りに面して建っている「閻魔堂」というお堂にあります。明治29年建立で、数度の火災や、新潟県中越沖地震での半壊を乗り越え、今も地元では「えんま様」の愛称で親しまれていま
す。えんま市の三日間のみ開かれ、お詣りができます。中にはその名の通り大きな閻魔様の像があり、その隣には大人の人間と同じくらいの大きさの舌を抜く道具、そして天井近くには針山や釜茹で、金棒を持った鬼たちの地獄絵図が……。子どもの頃は本当に恐ろしくて、震え上がったものです。今でも柏崎の子どもたちはえんま市のときはお詣りをし、その後しばらくは
「悪いことすると閻魔さまが舌を抜きにくるよ!」と脅されては静かになっています。(笑)ちなみに閻魔堂の様子や地獄絵図の複製、そして昔のえんま市の写真や資料は、柏崎市立博物館で年中見ることができます。露店は、柏崎駅から徒歩10分ほどでたどり着く「本町通り」に、約2kmにわたってずらりと並びます。範囲は全て交通止めとなっており、一本道なので、
昭和のお祭り?
どこから流れに合流してもぐるりと回ることができます。食べ歩き・飲み歩きできるフードやドリンクの屋台も数多く出ていますので、食べ物片手にゆっくり見回るのがオススメの楽しみ方です。また、途中で何箇所か座れる場所も作られますので、焼きそばなどはそこで落ち着いて食べることもできます。閻魔堂の境内には昔ながらの射的や輪投げ、おみくじ、そしてお化け
屋敷が集まります。夜はお堂のぼんぼりに灯りがともり、まるで昭和の昔にタイムスリップしたような、幻想的な風景が広がります。お詣りついでに是非、見ていただきたいと思います。ちなみに最終日の16日は21時で終わってしまうのですが、20時過ぎあたりから、畳む準備をはじめる露店の主人たちが大セールを行います!焼きそばを一つ買うともう一つついてき
たりは当たり前です(笑)見どころはなんといっても、2kmという長距離にわたってずらりと並ぶ露店です!こんな景色、他では見たことがありません。地元以外の人に写真を見せるとみんな驚くくらいです。たこ焼き、焼きそばといったお祭りの定番から、クレープやトルコアイスといったスイーツ、昨年は電球ソーダといった流行り物までありました。毎年変わり種の屋
台もいくつか出てくるので、何度行っても楽しいんです!食べたくなるものがたくさんあってお腹いっぱいになってしまうので、毎年結局三日間とも行ってしまいます。
アクセスは?
えんま市は、新潟県柏崎市本町通りでおこなわれています。お問い合わせ先は、0257-21-2334です。アクセス方法ですが、電車の場合は柏崎駅で下車し、10分ほど歩くと本町通りにたどり着けます。
自家用車の場合、駐車場は柏崎駅周辺にタイムズと、市営駐車場があります。どちらも有料ではありますが広さがあるためおすすめです。
本町通り周辺の公共施設の駐車場も解放されています。
・アクアパーク
・柏崎市役所
・みなとまち海浜公園
などが利用できる駐車場です。しかし駅周辺の駐車場と違いあまり広さがなく、ほぼ満車状態だと思ってよいでしょう。なお、シャトルバスなどは出ていません。
まとめ
年に三日間しか開かない閻魔堂と、閻魔堂を中心とした由緒と風情のある、だけど庶民的で楽しい祭り、それがえんま市です。のんびり食べ歩きできて、デートにもおすすめ。まだいらしたことのない方は、ぜひ遊びに来てみてほしいなと思います!