2017年11月下旬に差し掛かった頃、ちょっと紅葉の時期は逃してしまったかな?と不安を抱きつつ出掛けたのは裏箱根、大涌谷から湖尻に至る緑豊かな仙石原温泉周辺のエリア。結果的にこの年は秋も暖かく紅葉も遅れ気味。現地に到着するとちょうど見頃という感じでひと安心。同じ県内の自宅からは温泉入浴込みの日帰りスケジュールでも、十分余裕を持って堪能する事が出来ました。
仙石原温泉は日帰りでも楽しめる?
余裕を持って早朝に出発し、日帰り温泉のあるホテルの無料駐車場に車を停めたのは日も登った午前9時30頃の事。そこから箱根ロープウェーの姥子駅周辺をメインに散策して紅葉を楽しみ、昼にはホテルに戻り、予約したランチセットでお腹を満たした後はホテル自慢の露天風呂でウォーキングの汗を流し、夕方5時過ぎにホテルを出て帰路に着きました。往復の高速代で2,000円前後、またホテルのランチと日帰り入浴セットは予約無しだったもののクーポン適用もあり、およそ3,000程度で楽しむ事が出来ました。
仙石原温泉日帰り入浴、泉質は?
仙石原温泉は箱根十七湯の中でも最北に近いロケーションにあり、どちらかと言えば箱根温泉の中でも日帰りのイメージはあまり持たれないかと思われます。箱根カルデラをぐるり半周しないとアクセス出来ない為、忙しなくスポット巡りする上で候補から外されがちとなるのが理由かも知れませんが、実際にはこのエリアのホテルの多くが施設内の温泉を日帰り入浴サービスに対応させており、多くの源泉をゆったり楽しむ事が出来ます。
泉質は炭酸水素泉や硫酸塩泉がメインで、保湿効果や美肌効果も抜群。湯上りのサラッとした肌触りが堪りません。私がランチセットで利用したホテルはちょうど大涌谷から仙石原へと下る見晴らしの良い山腹に位置しており、周辺はカエデ等様々な樹木がオレンジや赤に紅葉し、露天風呂からも見る事が出来ます。
ただ何と言っても澄んだ青空の向こう、外輪山越しに見える富士山が秀麗で、初雪を被った山頂の姿はまさに銭湯の壁絵と言った感じ。入浴中もいつまでもその風景に見とれていました。ちょうど一緒に入っていた常連の入浴客と話をする機会があり、日没頃には紫に染まった空と富士山とのコントラストが大変美しいとの事。ただ今回はそこまでゆったり入浴する余裕は無く、せっかく良いチャンスなのに引き上げる事となりちょっと残念でした。
仙石原温泉は紅葉も美しい
仙石原温泉の歴史は意外と新しく、昭和に入りリゾート地として開発が進むまでは、むしろ山伏が修行の場として選ぶ程険しい山間の土地だった様です。その頃の名残は隠れ湯としても知られる、更に大涌谷に近い姥子温泉の周囲に残っています。そこではかの有名な金太郎が目の傷を癒したという伝説を持つ源泉が、未だ湯治客に親しまれている程です。
とは言え現在ではすっかりリゾート開発も進み、美しい森林地帯をホテルから間近に眺め、野鳥の鳴き声に癒される環境となりました。特に11月の紅葉の季節は山肌がオレンジに燃え上がる様に美しく、マイカーやロープウェーを利用し多くのカメラマンや観光客が観覧に訪れています。姥子駅の周辺からは、遠く箱根中心部の神山方面を展望出来るスポットもあり、紅葉に染まった山々の全景を撮影するのにも最適です。
仙石原温泉へ行き方は?
私の場合しっかりとした利用目的があった為、午前中から堂々とホテルの駐車場を利用する事が出来ましたが、単純に紅葉やウォーキングを堪能したい場合、箱根ロープウェーの姥子駅周辺やそこに至る道中脇の駐車スペースを活用するのがトラブルも無く、安心して活動出来るでしょう。
仙石原や大涌谷に至る道中の渋滞を嫌うのであれば、始めからマイカー利用は諦め、箱根登山鉄道からケーブルカー、ロープウェーの3点セットを利用する、あるいは渋滞覚悟で路線バスを利用するかの方法が取れるでしょう。もし選ぶとすれば、前者の3点セットによるアクセスがストレス無く大変便利。車窓から箱根独特の美しい景色を眺める事も出来、まさに一石二鳥です。